
コロナショックが原因で相次ぐ倒産・・・
これからの生活を乗り切るためにも、失業手当を申請しましょう!
では、失業手当をもらうにはどうしたらいいのでしょうか?
会社が倒産したら、まずは失業手当!

定額給付金など、コロナ対策でもらえるお金はいろいろありますが、
まず失業したら申請すべきは「失業手当」です!
失業手当をもらうには、そのための条件があります。
また、給付される期間や日数にも条件によって差があります。
手順や、申請理由によって支給されるタイミングも違ってくるので、
まずは失業手当について調べてから申請することが大切です。
失業手当をもらえる条件
仕事がなくなったからといって、すべての人が失業手当をもらえるわけではありません。
失業手当をもらうための条件は、
- 退職日以前の2年間に雇用保険加入期間が通算12カ月以上あること
- 失業状態であること
- 求職活動を積極的におこなっていること
この3つが必要になります。
退職日以前の2年間に雇用保険加入期間が通算12ヶ月以上あること
賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1ヶ月と計算します。
ただし、以下のケースは6ヶ月以上の場合も申請が可能です。
- 倒産、リストラ、解雇などによって失業した人
- 契約更新を希望したのに更新されずに期間満了となった人
- 病気、出産、配偶者の転勤などの理由で失業した人
失業状態であること
失業状態とは、労働しようという意思や能力はあるが仕事に就けていない状態をいいます。
そのため、雇用保険の加入条件が満たしていても以下の状態は失業状態とは認められません。
- 家業に専念することになった、もしくは家業や家事の手伝いをしている
- 月14日以上、または週20時間以上の労働をしている
- 学業に専念することになった
- すでに次の就職先が決まっており、転職活動をする予定がない
- 自営業を始めた、または準備をしている
- 会社や団体などの役員に就任した(予定や名義だけの場合も含む)
ただし、病気、ケガ、妊娠、出産、育児、介護のためにすぐ働けない場合は、
ハローワークに失業給付金の受給期間延長手続きを行うことができます。
そうすれば、働ける環境が整ったところで給付を受けることができます。
求職活動を積極的に行っていること
まずハローワークで渡される「求職票」に記入します。
ただし、求職票を書くだけでは求職活動を積極的に行っていることにはなりません。
ハローワークの窓口に相談したり、民間の合同説明会に参加するなど、
職を探している実績が必要になります。
失業手当ってすぐにはもらえない!?

失業手当は、手続きをしたらすぐもらえるものではありません。
もらえるタイミングは退職理由によって違います。
それは「会社都合」での退職か「自己都合」の退職かです。
「会社都合」の場合は、1ヶ月後からの支給、
「自己都合」の場合は、4ヶ月後からの支給になります。
※3ヶ月間は給付制限期間となる
倒産や解雇の場合は「会社都合」になので1か月後からの支給になります。
ただ、「自己都合」であっても「特定受給資格者」と「特定理由離職者」は、
1ヶ月後からの支給になります。
離職して3ヶ月も収入なしで過ごすのは、かなり辛いです。
1ヶ月に短縮されるケースを必ず確認しておきましょう。
特定受給資格者とは?
厚生労働省のホームページから引用すると、
特定受給資格者とは、倒産・解雇等の理由により再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀なくされた者
厚生労働省HPより
と、定義されています。
その範囲は単純に倒産・解雇だけでないため、以下の場合で離職する場合は、
これに該当する可能性があります。
- 事業所移転により、通勤が困難になった
- 明示された労働条件と事実と著しく違った
- 3分の1以上の減給が2ヶ月連続、もしくは6ヶ月の間に3ヶ月あった
- 給料が85%以下になった、もしくはなる予定だった
- 辞める直前 6 か月間のうちに 3 ヶ月連続して 45 時間、
もしくは1ヶ 月で 100 時間、または 2ヶ月以上の月平均で月 80 時間の残業があった - 契約社員などが継続の意思はあるのに、契約更新されなった
- 妊娠中、出産直後にもかかわらず働くことを強要された
- パラハラやセクハラをうけた
- 退職するように勧奨をうけた
※「早期退職優遇制度」等に応募していた場合は除く - 雇い主が原因で3ヶ月以上の休業になった
- 事業所が法令違反をして業務停止になった
残業が多くて辞めるケースは結構多いです。
もしこれが理由の場合は、残業時間がわかる書類を準備しましょう。
パワハラなどの環境での離職の場合は、その証拠になる発言を録音しておくなどするといいでしょう。
特定理由離職者とは?
厚生労働省のホームページから引用すると、
特定受給資格者以外の者であって期間の定めのある労働契約が更新されなかったこと、その他やむを得ない理由により離職した者
厚生労働省HPより
と、定義されています。
こちらも範囲が提示されています。
以下の場合で離職する場合は、これに該当する可能性があります。
- 契約社員などが継続の意思はあるのに、契約更新されなった
※特定受給資格者の範囲にも同じ項目がありますが、労働契約において、契約更新条項が「契約を更新する場合がある」とされている場合など、契約の更新について明示はあるが契約更新の確約まではない場合がこの基準に該当します - 体力不足・障害・病気・けが
- 妊娠、出産、育児
※受給期間延長手続きを行っている場合に限る - 父か母の死亡、病気、けが等が原因で、父もしくは母を扶養することになった
- 親族の病気、けが等のため本人の看護が常時必要になった
- 結婚のための住所変更で通勤が困難になった
- 通勤に利用していた公共交通機関が廃止または運行時間になった
- 転勤や出向を命じられたが、家族と別居できなかった
さまざまな理由が特定理由に該当するため、一度ハローワークで相談してみましょう。
状況によっては給付が1ヶ月に短縮されるかもしれません。
失業手当を申請する手順

- 雇用保険被保険者離職票を受け取る
- ハローワークで求職の申し込み
- 7日間待機
- 雇用保険受給者説明会に参加
- 失業認定日に求職活動の報告
- 1週間程度で初給付
- 以降は毎月(4週間に一度)の失業認定日に活動報告、給付
1. 雇用保険被保険者離職票を受け取る
まずは、失業手当の申請に必ず必要になってくる書類を受け取りましょう。
「雇用保険被保険者離職票」というものです。
会社によって全員に発行する場合や、希望者のみに発行する場合と対応が違うので、失業手当を受け取るのであれば必ず会社に申請しましょう。
流れとしては、会社が「離職証明書」を発行します。
離職理由などの記載内容について確認をして、内容に問題がなければ、
捺印またはサインをします。
それを受けて、離職日の翌日から10日以内に、会社が捺印済みの離職証明書と添付書類をハローワークに提出します。
ハローワークが提出された書類を確認後、「雇用保険被保険者離職票」を会社に発行し、それが離職者へ届けられます。
「雇用保険被保険者離職票」には、
雇用保険の資格喪失の旨が記載されている「離職票―1」と、
離職日以前の賃金支払状況と離職理由が記載されている「離職票―2」があります。
失業手当の申請には、この両方が必要です。
2. ハローワークで求職の申し込み
離職票を受け取ったら、ハローワークの失業手当担当窓口を訪ねます。
持参するものが6つあるので、確認していきましょう。
- 雇用保険被保険者離職票(1と2両方)
- 身分証明書(運転免許証など)
- 個人番号確認書類(マイナンバーカードなど)
- 写真(たて3cm×よこ2.5cmの正面上半身のもの)×2枚
- 印鑑
- 本人名義の普通預金通帳(ゆうちょはNG)
3. 7日間待機
受給資格が決定すると、7日間の待機期間に入ります。
「自己都合」の離職で受給まで3ヶ月かかる場合は、
この待期期間が終わった翌日からカウントします。
4. 雇用保険受給者説明会に参加
説明会を受講すると、受給に必要な「雇用保険受給資格者証」と
「失業認定申告書」を受け取ることができます。
5. 失業認定日に求職活動の報告
失業手当は、就職する努力をしているのに失業状態にある人に給付されるものなので、2回以上の求職活動をしている実績を示さなければいけません。
ハローワークに届いている求人情報に応募するなど、再就職しようとしている姿勢を見せましょう。
失業手当をもらいながらできる再就職先探しはハローワークのみではない!

再就職探しは、ハローワークに来ている求人のみでなくても構いません。
転職エージェントなどから求職活動したものも活動実績として報告できます。
登録は無料なので、登録しておいて損はありません。
6. 1週間程度で初給付
失業認定を受けて、約1週間後に指定された口座に失業手当が振り込まれます。
7. 以降は毎月(4週間に一度)の失業認定日に活動報告、給付
以降は、5と6の繰り返しです。
指定された日時にハローワークに行き、求職活動報告をしましょう。
失業手当をもらえる日数は?
失業手当を受けられる「所定給付日数」は、
離職理由、離職時の年齢、被保険者であった期間などによって決まります。
(その間は「失業認定」を毎月受ける必要があります)
自己都合、定年退職などにより離職した方

倒産、解雇などにより離職した方

引用:ハローワークインターネットサービスより
障がいを持つ方など就職困難な状況にある方

もらえる失業手当の金額は?
いわゆる基本手当とよばれる金額になります。
この基本手当は、過去の半年間の給与、年齢をもとに計算します。
原則として、離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金(賞与等は除く)の合計を180で割って算出した金額に、およそ50~80%(60歳~64歳については45~80%)の給付率掛けた金額になります。
賃金の低い方ほど高い率となっています。
一日の上限が決められているため、それ以上になることはありません。
30歳未満 | 6,815円 |
30歳以上45歳未満 | 7,570円 |
45歳以上60歳未満 | 8,330円 |
60歳以上65歳未満 | 7,150円 |
この日額に日数をかけた金額が給付の総額となります。
給付の上限額は、毎年8月に見直しされます。
また給付率は複雑な計算が必要になるため、正確な金額はハローワークで確認しましょう。
総給付額 = 過去6ヶ月の給付額 ÷ 180 × 給付率 × 所定給付日数
所定給付日数が余っている場合はお祝い金がもらえる!
失業手当を受給している間に再就職が決まった場合は、
再就職手当が給付される場合があります。
早く再就職が決まるほど、給付率が高くなるように設定されています。
- 所定給付日数が残り2/3以上ある場合:基本手当の残日数の70%の金額
- 所定給付日数が残り1/3以上ある場合:基本手当の残日数の60%の金額
再就職の状況によっては給付されない場合もあるので、ハローワークで確認しましょう。
失業手当をもらいながらアルバイトできる?
失業手当をもらっているときでもアルバイトは可能です。
しかし、制限がありますので、かならず把握したうえで行いましょう。
もし、制限を超えたアルバイトをしてそれがわかった時は、
給付された失業手当とその2倍の罰金(合計3倍)を支払わなければいけません。
給付までのタイミングでも制限が違うため、必ず把握しておきましょう。
待機期間 | 禁止 |
3ヶ月の給付制限期間 | 制限ありで可 |
受給期間 | 制限ありで可 |
「待機期間」中のアルバイトはNGです。
もし発覚した場合は、失業とみなされず失業手当をもらうことができなくなります。
「給付制限期間」中のアルバイトは制限付きで可能ですが、
その制限は決まりはなく、各自治体に委ねられています。
受給期間中よりも制限はゆるいようなので確認してみましょう。
「受給期間」のアルバイトは可能ですが、かならずハローワークに申告をしましょう。
申告すればアルバイトをした日数分を引いた分の失業手当が振り込まれます。
この日数はなくなるわけではなく、給付期間がきれた後に回されます。
また「月14日以内」、「週20時間以内」に抑えましょう。
これを過ぎると雇用保険の対象になるため、失業状態とみなされなくなる可能性があります。
まとめ

この日本には、失業しても再就職するまでの保証をしてくれる制度があります。
失業手当は知っているけど、もらい方がわからないという人は一度調べましょう。
正しい知識があれば、次の再就職が決まるまで生活をつなげます。
制度を知って活用することで絶望せずに、先の未来と向き合うことができます。
他にもコロナ対策で給付されるものもあります。
失業手当が対象外でも、あきらめずにもらえるお金はもらっておきましょう。
